その昔、ある編集者に言われたことがある。
「笹さんって、色気がないよね」
・・・ほっとけよ。
というか、私がひた隠しにしている
お色気ビームは、あんたに出していないだけだよ。
と、私はそのとき思った。
この人、私にお色気ビームを出して
ほしかったのだろうか。
そのビームでイチコロになりたかったのだろうか。
というか、いま、仕事の話をしてるんですけど・・・等々、
ツッコミどころは満載だけれど、
この程度の言葉なら、まだかわいい。
女であるというだけで投げつけられた
理不尽で不愉快な言動は、すべて挙げたら
キリがない。
だいたい、多くの(?)男性は、
若い女性が目の前に現れたら
「教え、導いてあげる」という態度に出る。
「教え、導く」ことが問題なのではない。
それは同性でも上下関係にはよくある。
むしろ「○○してあげる」という態度のほうが問題なのだ。
自分の中身こそスッカスカなのに、
そういう人に限って最初から「上から目線」。
「きみは何も知らないようだから教えてあげる」
というわけだ。
しかも、自分は男だというだけで
優越を感じているのだから始末が悪い。
女が従順なうちはまだいい。
違う意見を言ったら居丈高になって攻撃するか、
「あの子は○○だから」とレッテル貼りをして
他者に言いふらす。
こういう男は本当に面倒くさい。
しかも、「保守」を名乗る人々の中に
こういう輩はじつに多い。
だから私は「保守」を自認する人に
反射的に嫌悪感を抱いてしまう。
自分が何者であるかを語れない者が、
保守とは何か、保守すべきは何かを深く考えもせずに
その群れの中に入り、自分を同化させ、
そして自分が何者かにでもなったかのような
錯覚に陥る。
彼らは自分にゲタを履かせることだけが重要で、
他者への思いやりや想像力は微塵もない。
女を野次るのは、底上げした自分を守るための手段なのだろう。
とりあえず、それが手っ取り早いから。
女は結婚して出産して育児して、
それでようやく一人前?
バカじゃないの。
結婚も出産も相手がいなけりゃどうにもならん。
いや、相手がいたってどうにもならん。
そのぐらいの想像力は、マトモな大人なら持っている。
市政(公)に携わる者が、自分(私)の底上げの
ことばかり考えているのだとしたら、
国の未来は本当に暗い。
そして多くの人がそれに気づかないのだとしたら、
この国は、本当に貧しい。
そして、それに気づかない人々が
「保守」を名乗るのだから、
いったい何の冗談かと思ってしまう。
ところで昨晩、私は五日間の沖縄取材から帰ってきました。
沖縄で知り合ったおばあが、
手作りのサーターアンダーギーを
空港まで持ってきてくれました。
とりあえずお色気ビームは封印して、食い気に走ろっと